超感動アニメ「凪のあすから」を考察!泣けたと感想・評価が多い名作人間ドラマ

画像出典:凪のあすから公式サイト

「凪のあすから」は感動できるアニメランキング上位に入ること間違いない、人間の微妙な心理を美しく描いたアニメ作品です。

制作したのは、「花咲くいろは」「true tears」「Charlotte(シャーロット)」など、数多くの超人気アニメを輩出してきたP.A.WORKS。

P.A.WORKSはアニメ好きではない一般の方でも感動できる作品を制作している、ジブリ作品や新海誠作品のようなアニメ作りが得意な制作会社ですね。

ここでは、「CLANNAD」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」等の超人気感動アニメ作品に匹敵する感動作、「凪のあすから」の魅力を紹介します。

「凪のあすから」は海と陸が織りなす時を超えた人間ドラマ!

「凪のあすから」は海と陸という異なる世界で人々が交流し、登場人物たちが精神的に成長していく姿を描いた物語です。

海で暮らす人々はエナという特別な透明の膜で身体が覆われていて、海中でも呼吸でき、海の中に村をつくって暮らしています。

海の世界の人々の暮らしは地上の人々の生活と何ら変わりなく、海の中なのにテレビをつけたり、料理をつくったり等、少し不思議な感じがありますね。

しかし、海の世界の人々はエナがあるだけで、それ以外は地上の人達と見た目も精神性も変わらない、ごく普通の人間です。

海の世界とかちょっとファンタジックだな・・・・・・と思った方もいるかもしれませんが、物語は海の中より地上の話が多く、実際はそこまでファンタジー色は強くありません。

むしろ、ジブリ作品の「崖の上のポニョ」の方が、よほどファンタジックでしょう。

海の人・陸の人とわず、登場人物たちの微妙な心理を細部まで表現している作品なので、(特に後半は)おじいちゃん・おばあちゃんでも楽しめるようなアニメ作品になっていると思います。

 

美麗なグラフィックと綺麗な音楽が魅力の「凪のあすから」

「凪のあすから」は、海の世界がとても美しく描かれており、ジブリ作品「崖の上のポニョ」に少し似た世界観があります。

舞台の一つである海の町、「汐鹿生(しおししお)」は海の中の村なので普通に魚が泳いでいますが、そこで暮らしている人達の生活の姿が幻想的です。

P.A.WORKSのアニメ作品は、キャラクターが萌え萌えしていなかったり、背景がとても綺麗だったりしますが、「凪のあすから」はP.A.WORKSのアニメ作品の中でも、最も美しい作画かもしれません。

波しぶきの一つ一つも丁寧に描かれており、アニメならではの美しい描写がされている点が良いですね。

音楽もとても良く、海の世界と陸の人々が交流していくことによって変化していく、登場人物たちの様々な心理の変化が表現されています。

 

「凪のあすから」は主役7人全員が前に出てくる珍しい作品

他の多くのアニメ作品は、主人公クラスの人物は2~3人くらいですが、「凪のあすから」に限っては7人のメインキャラクター全員が主人公クラスの密度で、最初から最後まで描かれます。

そのため、誰が主人公なのかよくわからないくらい濃密な人間関係で進み、かつ一人一人の心理描写が繊細に描かれているため、視聴している側はかなり引き込まれますね。

のめり込める部分が多く、特に後半は一気に見てしまう超展開になります。

 

「凪のあすから」ストーリー解説

海の世界には昔、海神様という神様がいて、エナを捨てて地上に上がった人間たちを哀しく思い、人々に数々の苦難を与えました。

それを恐れた人間たちは、おじょし様という若い女性を生贄に海に捧げ、海神様を鎮めたという伝説があります。

第一部の主人公、先島光(さきしまひかり)と他の海の人々は、その時おじょし様と海神様の間に生まれた子孫らしいです。

光と向井戸まなか、比良平ちさき、伊佐木要(かなめ)の四人は、汐鹿生の幼馴染。

通っていた波中が廃校になってしまったため、仕方なく地上にある浜中に通うことになります。

しかし浜中に初登校の日、まなかは地上の少年、木原紡(つむぐ)と運命的な出会いをし、惹かれていくのです。

そして、その日から光たち五人の関係は微妙に、少しずつ変化していくのでした。

 

「凪のあすから」メインキャラクター紹介

「凪のあすから」の魅力は、やはり7人の主人公にあります。

この7人は全員がそれぞれ強い想いを持ち、それが上手く作中でコントラストしている点が凄いですね。

ここまで沢山の登場人物がそれぞれに強い想いを持っていて、かつ絶妙に人間ドラマを形成しているアニメ作品は、他の名作アニメと比べてみても珍しいでしょう。

ここでは、そんな強い想いを持った素敵なメインキャラクター7人を紹介していきます。

 

第一部の主人公「先島光」猪突猛進な少年

「凪のあすから」は1話~13話までの第一部、14話~26話までの第二部がありますが、前半の第一部の主人公は先島光という少年です。

光は勢いで行動するまっすぐな少年で、愚直ですがその純粋さは登場人物の多くが評価していますね。

まなかのことが好きですが、浜中に初登校した日にまなかと運命的な出会いをした紡に、対抗心を燃やします。

とても感情的なキャラクターですが、共感できる部分は多いですね。

 

全編通したヒロイン?「向井戸まなか」綺麗な心を持った少女

まなかはおっちょこちょいな女の子で、いつも光の後ろについて歩いている可愛い子です。

とても綺麗な心を持っていて、他人に優しく一生懸命なところが魅力的ですね。

意外と真面目なキャラクターが多い中、まなかは一番ユーモアのセンスがある、お笑い担という感じです。

光のことを大切な存在だと思っていますが、紡と運命的な出会いをし、紡に惹かれるようになっていきます。

 

真のヒロイン?「比良平ちさき」揺れる想いを持つ優しい女性

ちさきは7人の中でお姉さんキャラというか、大人びているところがある少女です。

第一部ではまだ精神的に不安定で、言っていることがコロコロ変わったり、自分でも自分の気持ちをよくわからなかったりする点がありました。

しかし第二部では成長し、自分の気持ちを理解した上で行動をコントロールするという精神力を持ちました。

まなかが純粋な優しさだとすれば、ちさきは理性で自分を戒めた大人な優しさがありますね。

そのため、第一部ではまなかの純粋さと自分の気持ちを比較し、苦しんでしまうことが多かったです。

まなかよりも中盤以降はヒロインぽく、ちさきの視点で物語が描かれることが多くなります。

 

悲劇のヒロイン(ヒーロー)?「伊佐木要」ヒーローにはなりえない美少年

かなめは自分の感情を殆ど出すことがないキャラクターで、残酷なまでにクールな発言をし、登場人物たちの気持ちを逆なでることがあります。

しかし、それは自分の傷ついている心を隠すための精一杯の防衛手段で、本当は優しさをわかっているキャラクターです。

 

真の主人公?「木原紡」主張しないまとめ役

つむぐは地上の人間で、ずっと海の中の世界に憧れていた少年です。

ある日、まなかと運命的な出会いをし、その日から光・ちさき・かなめの五人と時間を過ごすようになりました。

かなめの場合は考え方がクールなだけでキャラは明るいですが、つむぐは存在自体がクールで全体的に主張しないキャラ・・・という感じですね。

全編通して光よりも主人公っぽく、つむぐが真の主人公なのではないかと思ってしまう程です。

 

第二部の主人公「潮留美海」主人公らしくない傍観者

みうなは第一部では小学生でしたが、第二部では14歳になり、素敵な美少女になりました。

第二部の主人公はみうなで、物語はみうなの視点で描かれますが、いかんせん他の6人の主張が強いため、あまり主人公という感じはしないです。

しかし、その傍観者たるみうなの姿勢が「凪のあすから」の世界観を美しく語っており、やはり彼女が本作の主人公なのだなとわかります。

 

レディを突き飛ばしてそのままかよ!「久沼さゆ」美海より主人公らしい美少女

さゆは第一部では小学生でしたが、第二部ではみうなと同じ14歳になっています。

小学生時代から可愛かったさゆですが、14歳になったさゆは大人びたレディになっていて最高ですね。

しかし、14歳になっても気が強く、主張が激しいところは変わりません。

さゆは本作で人気キャラのようで、むしろみうなよりも主人公ぽい雰囲気もあります。

名言に「レディを突き飛ばしてそのままかよ!」がありますが、動画があるので見てみてください。

「凪のあすから」主役7人以外の重要人物

「凪のあすから」はメインの7人以外のキャラも重要人物が多く、作品におけるキャラ密度が凄いです。

7人だけでは作品の密度を伝えきれないので、ここでは重要なサブキャラクターを紹介しますね。

 

「潮留あかり」光の姉さんであり美海の母親

あかりは第一部の主人公である光の実の姉で、中盤以降、みうなの母親にもなる美人です。

もともと海の人間なので、地上の男性と恋に落ちることを禁じられていましたが、様々なドラマを通してみうなの母親になることを決意し、みうなの父・至(いたる)と結婚します。

 

「うろこ様」海神様の鱗の一カケラ

うろこ様は、その昔海に溶けたと伝承される、海神様の鱗の一カケラから生まれた存在らしいです。

若い男性の姿をしているけれど、年齢不詳で口調はおじいさん。銀髪のイケメンなので女性視聴者からの人気も高いです。

 

微妙な人間心理を描いたリアルな恋模様の「凪のあすから」

「凪のあすから」の最大の魅力は、主要キャラクター7人の微妙な心の変化を美しく描いている点にあります。

P.A.WORKSの作品はドロドロした三角関係を描いたものもありますが、「凪のあすから」に関しては全体的に美しく描かれているところが良いですね。

 

5年後の第二部からが「凪のあすから」の本当の始まり

「凪のあすから」は1話~13話までの第一部と、14話~26話までの第二部に分かれていて、一部と二部では物語の雰囲気がガラリと変わります。

具体的には、二部は一部から五年後の話で、色々なことが変わっていて、登場人物たちの心境や生活環境が変化しました。

一部ではまだ小学生だったみうなとさゆも、二部では14歳になっており、時の移り変わりを感じますね。

第一部も、海の世界の美しさや、揺れる登場人物たちの微妙な心理が細やかに描かれていますが、それは全て第二部のための伏線であり、二部で全ての謎が明らかになります。

また、第二部のオープニング曲が素晴らしく、「凪のあすから」の世界観を絶妙に表現していますね。

このオープニング曲の動画を見れば、「凪のあすから」のグラフィックの美しさ、繊細な人間ドラマを感じることができますので、ぜひ視聴してみてください(視聴してもネタバレになるようなことはなく、むしろ世界観に引き込まれるはずです)。

 

【まとめ】「凪のあすから」はアニメが苦手でも感動できる作品

「凪のあすから」はいわゆる萌えアニメとは違うカテゴリーで、どちらかと言えばジブリ作品や新海誠作品のように、一般の方でも楽しめる作品です。

そして、「崖の上のポニョ」や「君の名は。」にも負けていない、泣ける感動アニメとして自信をもって勧められますね。

全26話で、第一部はペースを上げて視聴できないかもしれませんが、14話からの第二部は、一気に引き込まれてノンストップでラストまで観てしまうでしょう。

私も第一部は数日かけて観ましたが、第二部は一日で観てしまったほど作品に引き込まれましたね。

P.A.WORKSの作品はもっと評価されるべき、良質なアニメ作品が多いですが、その中でも「凪のあすから」はもっと多くの人に観てほしいアニメです。

最後に、第一部のPVと第二部のPVを紹介しますね。

PVだけ見ても、一部と二部の雰囲気がまるで違うのがわかるはずです。

これを見て、一人でも多くの方が「凪のあすから」を視聴することを願います。

「凪のあすから」第一部PV↓

「凪のあすから」第二部PV↓